【改訂版】キスはする。それ以上も。けど、恋人じゃない。
結果は明白。
口を開かないってことは、答え兼ねてるってこと。
それが本心だって、思ってもいいんでしょ…?
「……ごめんね、純くん」
困らせてごめんなさい。
変な事ばかり言ってごめんなさい。
いい子じゃなくてごめんなさい。
挙げれば沢山あるけど、本心がどれなのか、どこに本音があるのか、伝えたいことはなんなのか。
分からない。
「弱くてずるくて、いつも逃げてばかりで。自分じゃ何も考えられないの。
だけど…」
純くんを手放せなかった、私の弱さ。
純くんを突き放さなかったのは、自分のため。
泣きそうで、泣きたくて、でも泣けない。
その資格が私にはない。
「だけど、そんな私にも純くんは、すごく残酷な事をするね―――…」
……痛い。心が、痛いのすごく。
はっきりしてくれないから。ほら、また。
すぐ道に迷って飛び込みたくなる。
冷笑してこちらを見下す、そんな悪魔の元に。
それをぐっと堪えて押し止まる。