【改訂版】キスはする。それ以上も。けど、恋人じゃない。
最良の選択なんて選べない。
選んでしまったら私はまた、なにかを失くしてしまうかもしれない。
また、大事なものを……
途端に恐ろしくなった。
また、また、って。
私はどこまで行けば満足できる?
はっきりと言える事はたった一つで、私のした事はきっと、どちらも傷付く最悪の選択だった。
空を切る手はそれしか掴む事を知らない。
だったら私は、それでも安全を求めていたら良かった。
現状維持を決め込んだまま、何もせず、待っていれば良かったのかもしれない。
焦った。急いだ。結果、失った。
いっそ全て、忘れてしまえたらいいのにと。
叶うはずもないことと思い込み、勝手に落ち込んでは、何も分かっていなかった愚かしさ。