【改訂版】キスはする。それ以上も。けど、恋人じゃない。
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……あれ、と。覚醒してすぐに思った。
気付くと私は仰向けに倒れていた。
起き上がって右、左と首を動かして視界を広げてから、その解釈に訂正を加える。
倒れていたんじゃなくて、ただ寝ていただけ。
スプリングがあまり効いてない、硬めのベッド。
波打つような皺の寄った、ざらりとした感触の白いシーツ。
少し軽めの掛け布団を体からずらした。
おかしな夢を見ていた気がする。
覚えているけど、どうにも変な夢を。
ええと、何だったかな…。
寝起きの所為か、ぼんやりとした思考のままに床に足をつくと、あまりの冷たさに身を竦めた。
ぶるりと体を震わせて、脇に置かれたスリッパに足を忍ばせて立ち上がった。
それにしても、ともう一度部屋を見回す。