本当はずっと、好きだった。





「家族で毎年行ってるから、
それには行けないんだって。」

「…………へぇ。」







私がそう説明すると

要は興味なさそうにそう返事をして
窓の方に視線を逸らした。





要にこんな話しても
別に興味ないか…。







「でも久しぶりに直接話せたから!
それだけで十分!」

「……あっそ。」







要ありがとうね、と

私がお礼を言うと
要は

別に、と
素っ気なく返した。







(……残念だったなぁ…。)







ダメもとではあったけど

やっぱり少しは
構ってくれるかもなんて

期待していたのがいけないんだけど…





やっぱり何だかんだ、寂しい。







「………。」








そんな私の横顔を

横目で要が見ていたとも知らずに。






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