本当はずっと、好きだった。
キーンコーンカーンコーン…
そんなことをしていたら
予鈴のチャイムが鳴って。
私は要の前の席から立ち上がって
自分の席に戻る。
「要ありがとね!
今度美味しい肉マン奢る!」
「そりゃどーも。」
私がそう言って席に戻ると
要はいつものように
また窓の方に視線を向けながら
伏し目がちに
外を見る。
「……あいつ、バカじゃねーの。」
家族で花火大会なんて
嘘に決まってんだろ。
そう小さく呟いて
顔を少し歪めていたことも
私は知らなかった。