本当はずっと、好きだった。
やっぱり優しいね。
それから時間が経つのは早くて
あっという間に一週間が経った。
明日は…ついに花火大会。
「沙奈も歩美も、彼氏と行くって言うしなぁ…。」
私は自分の部屋のベッドに寝転がりながら
そう独り言をつぶやく。
親友の2人も
今年は彼氏と行く予定らしく。
そうなると行く人もいないし
私は静かに1人
お留守番かなぁ…。
(……行きたかったなぁ…。)
そんなことを言っても仕方ないのは
分かっているけど
残念なものは、残念。
だって
今まで男の子と花火大会なんて
生まれてから1度も経験ないんだもん。
…家族と行って、お兄ちゃんがいたくらい。
2人では…ない。
(…好きな人と行くの夢だったんだけどなぁ…。)
はぁ、とため息が漏れて
私は静かに目を閉じた。