本当はずっと、好きだった。
-----そしてあっという間に次の日。
私はお兄ちゃんのお店の前で
ソワソワしながら立っていた。
…もちろん、浴衣で。
(花火大会だから
やっぱり着たかったんだよね。)
なんて
要と一緒に見るのに
浴衣なんて着ていいのかな、とは考えたけど
どうしても着たくて、結局これ。
…春樹くん、1日くらい許して…。
「……よぉ。」
「!」
そんなことを思いながら
彼を待っていれば
そこに
ついに要が到着した。
(…わぁ……!)
何だかんだ
お店の服と制服以外に
要の姿を見たことがなかったため
私服を初めて見て、驚いた。
「…んじゃ、行こうぜ。」
そう言って
要が優しく笑って私の前を歩き始めた。