本当はずっと、好きだった。
それから連れて行かれたのは
確かに全然人のいない
少し離れた丘。
河川敷からは確かに全然近くないし
これなら春樹くんには
きっと会わない。
私は安心しながら
要が敷いてくれたレジャーシートの上に座る。
「ありがとう、要。」
「どーいたしまして。」
要は優しく笑いながら
私の隣に腰掛ける。
いつもは前後に座ってるから
何か、変な感じ。
「…あ、要ピアス空いてる。」
「ん?あぁ、これか。」
「わぁ、これ可愛いね。」
そう言って私が見たのは
要の耳に刺さるピアス。
光る宝石みたいな
小さい飾りが1つあるだけの
シンプルなものだけど
可愛い。
「これ、俺のお気に入り。」
「あ、そうなんだ!」
「特別な時しか着けねぇけど。」
そう言って
要が不意に、また優しい笑顔を
私に向ける。
…特別な、時しか…って…
(……え?)
-------ドキッ
私はその言葉に
思わず心臓が跳ねる。