本当はずっと、好きだった。
それから他愛もない話をしながら
要と2人で花火が打ち上がるのを待った。
すると小さく
アナウンスが聞こえて、
花火大会の始まりを知る。
「もう上がるよ要!」
「だな。
…フッ、はしゃぎすぎ。」
「だ、だって…!」
今日本当は
見れないと思ってたから…。
要に言われた通り
実は楽しみにしていた。
何だかんだ
友達と毎年見に行ってたし、
今年は特に…少し期待してたから。
(……ありがとう、要。)
要といると
いつもホッとするし
元気でるし
…泣かずにいつも頑張れる。
心が折れそうになっても
要が励ましてくれたら…
いつも立ち直って
また頑張れる。
(……本当にありがとう。)
私は隣にいる要に
心の中で そうお礼を言う。
…あの日、お兄ちゃんのお店に行って良かったなぁ。
そんなことを考えてると
同時に…大きな花火の音が、響き渡った。