本当はずっと、好きだった。
---目を覚ましてからも同じ。
学校に行って
前と同じように沙奈や歩美と話していても
どこかに意識が飛んでいる感じがする。
心には穴が空いたように
埋まらない寂しさがあったし
でもそれを私は
春樹くんが振り向いてくれないからだと
ずっと思って過ごしていた。
(……あ…。)
ふと廊下を見たときに
茶髪の厳つい面子と歩いている
要を見かけた。
……相変わらず元気そう。
私はその姿を見て
ホッとしながらも
どこかモヤモヤする感情を感じた。
…見るたびに
あの日のやりとりが頭をよぎる。