本当はずっと、好きだった。
「あーあ、ダメだこりゃ。
おい要、お前も何か言ってやれよ。」
バイトに出勤した途端
いきなり店長からそう尋ねられ
俺は は? という顔をして
店長を見返した。
指でカウンターを指されて、
言われたとおりにそこを覗き込めば…
「…えっ!」
「…エ。」
驚いたことに、まさかのあいつ。
ドンピシャで
第一印象通りかよ…と内心苦笑いしながら
店長を振り返る。
(……これが例の妹かよ…。)
これが、俺と沙織の出会いだった。