本当はずっと、好きだった。




それから一週間が経って。


バイトが終わると
店長が裏にやってきた。







「要。お前明日バイト休め。」

「…え、何でっすか。」

「あいつと、彼氏の代わりに
一緒に花火行ってやってくれよ。」







お前ら仲良いんだろ?



と店長が優しく笑いながらそう言う。

どうやら沙織は
誘いを断られたことを店長にも話してたらしい。





俺は 分かりました、と返事をして

沙織に電話をかけた。






少ししてから電話が折り返されて
それに出ると、寝起きの声だった。






(こいつ ふて寝でもしたか。)






そう思いながら
沙織に経緯を説明すると

意外な答えが返ってきた。






「…ううん、行かない。」

「…は?何でだよ。
お前楽しみにしてたんじゃねぇの、花火大会。」






そう尋ねると

沙織はまた
あいつの名前を出す。






「春樹くんに会ったら…誤解されちゃいそうだもん。」







(………ったく、本当こいつは…。)






その返事に少し心が痛みつつも

俺は何とかして連れてってやりたくて、
急いで頭を回す。




…今まで無駄に夜遊びしてきたのを
ここで生かすしかない。





(……あそこなら見えるな。)






俺はいい場所を探して当てて

それを沙織に告げた。





…あのダメ野郎が浮気して
いい気になってる間



俺がこいつの願い叶えてやる




そう思いながら

俺は沙織と約束を交わした。








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