本当はずっと、好きだった。
そして次の日、約束の時間に
約束の場所に行けば
(---------!)
予想外にも、浴衣を着て来られて
俺は内心ドクン、と鼓動が鳴った。
…可愛い格好してきやがって…。
思わずニヤけそうに顔を隠すために
背を向けて、沙織の前を歩く。
場所に到着してから
レジャーシートを敷いて、2人で座った。
「…あ、要ピアス空いてる。」
そう言ってあいつが触れたピアス。
今まで気づいてなかったのかよ、と思いながらも
「可愛い」と言って優しく笑う沙織を見て
俺も自然と、笑みが浮かんだ。
今日してきたのは
1番気に入ってるピアス。
失くしたくない一心で
滅多なことがないと刺さないやつだった。
(…今日は、俺にとっては特別だしな。)
そう思ってつけてきた。
そして花火が始まって
隣にいる沙織がはしゃぎ始める。
やっぱり、何だかんだ楽しみにしてたんじゃねぇかよ。
なんて思いながら
連れてきてよかった、と
俺は小さく笑みを浮かべる。