本当はずっと、好きだった。




それなのに

段々嗚咽しながら鳴き始める沙織が




俺の手を握りながら
俺に謝ってくる。





…何に対してのごめんだよ、と

内心苦笑いしつつも







「…勝手に避けて、悪かった。」







俺がそう自分の謝りたいことも
一緒に言えば


少ししてから手を離し
あいつが振り返って



正直に自分の気持ちを暴露し始めた。







「私……春樹くんと別れる。」








そう言われた瞬間


俺の頭が一瞬ショートした感じがした。






…何で?

あんなにあいつのこと好きって…。







そう考えながら

決断を早まるな、と説得するのに

沙織は頭を横に振って
違う違う、と反論する。





……何が…どうなってそんな…






俺が混乱している
そんな時にまた


あいつが爆弾を落として行った。








「………私……要が好き。」








そう


大きな爆弾を。








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