本当はずっと、好きだった。




信じられない言葉に

思考が止まって、
思わず息を飲んだ。




……は…?沙織が…?






(俺を-------好き---?)






何かの間違いか
冗談かもしくは、変な夢かと思った。




俺は報われない恋をしていて

相手は俺のことなんて
眼中にもないとばかり思って

これまで生活していたから。





流していた涙も全部


あの彼氏に対してのものだって信じていたから---。







「…今更だって分かってるよ…
そんな都合いいこと言うなって思うかもしれない。」






そんな俺に構わず

沙織はそう言葉を続ける。






(……おいおい、そんな……)






そんなこと…言うなって……








「でも……それでも私は
要のことが好きなんです…。」







------そんなこと







(そんなこと…言われたら……)






…俺だって…








「本当に私、要のことが--------ッ?!」








俺だって


止められなくなる。








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