本当はずっと、好きだった。





気づいた時には

沙織を抱き寄せて




自分の思うままに
唇を奪っていた。





-----欲しい。たまらなく欲しい。




俺の手でめちゃくちゃにして

俺のことで笑顔にさせて

俺のことで頭いっぱいにさせて





それで俺が---お前を幸せにしてやりたい。






そんな欲、願望を
ぶつけるように沙織にキスをして



離れた時にまた

強く抱きしめた。






(--------夢じゃない、夢だったら許さねぇ。)







「分かったから、もう泣くな。
…泣かないで、俺を見ろ。」






-----その瞳に俺を映して。






「……お前の気持ちはよく分かった。」





-------その頭に俺だけを考えさせて。






「…俺も……俺も沙織が好きだ。」








その心に




俺を刻みつけて。








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