本当はずっと、好きだった。
「…で、今日はどうしたんだよ。」
「うっ……要にはお見通しか…。」
ゲームを終えて
携帯を互いに置くと
要は頬杖をつきながら
私に視線を寄越す。
要は見た目こそ怖いし
授業さぼったり髪染めたりする不良だけど
実際はこうして
友達思いだったりする優しい人なんだよね。
「実は……春樹くんを花火大会に誘ってみようかなって思って…。」
私がそう言うと
要はピクッと眉間にシワを寄せる。
「はぁ?あんな男のこと
まだ諦めてねぇの?」
「うっ……だって…。」
「…はぁ…、信じらんねぇ。」
何でここまでされて
愛想尽きないかね?
そう呆れたように言いながらも
要はいつも私の相談に乗ってくれる。
…やっぱり、要は優しいね。
「で?だから?」
「えっと……
メールで聞くべき?直接聞くべき?」
「…はぁ?」
私の質問に
またも要が呆れながら、目を細める。
うっ…そんな顔しなくても…。
「仮にも彼女なんだったら
遠慮せず直接言いに行きゃいいだろ。」
何を遠慮してメールなんだよ、
と言う要に
私は苦笑いしながら「そっか、そうだよね…。」と返す。
…だって、彼女だっていう自信…無いんだもん。