日野雄大はクラスで一番性格が悪い
──そして、目覚める。
気持ちの悪い目覚め。
私は毎朝吐きそうになって、吐き気が収まるまでは暫くベッドの上から動けない。
私は知っている。覚えている。
この夢は、十年前に確かにあった出来事だって。
私は言った。
真実、お兄ちゃんにその言葉を吐き出したんだ。十年前に。
そしてお兄ちゃんは、一ヶ月後に首を吊った。
本当は、お兄ちゃんを殺したのは日野雄大のお父さんなんかじゃなく、私なんだ……。