日野雄大はクラスで一番性格が悪い


「てか日野ちゃんお兄ちゃん居たのか」
「……まあね」


日野ちゃんがそのお兄ちゃんの話をするときは、なんだかいつも返答が遅れる。

悔しいけどそれは、ちょっと可愛いと思う。


「今何歳」
「小五」


ん?と。
意味が分からなくて日野ちゃんを見つめる。
だけど日野ちゃんは俺に視線をやらない。


「あの、日野ちゃん」
「え?」
「小五だと弟だろ。意味が分からない」


なんだよ俺結局からかわれてるのか?


「弟じゃないよ。私の五個上だもん」
「だから。それだと日野ちゃんは幼稚園児になるだろ。何なの?からかってんの?」


半ばキレ気味な俺を睨み付けると、日野ちゃんはぷいと顔を背けた。


何なんだ日野ちゃんって不思議ちゃんキャラなのか?違うだろドSキャラなはずだろ?

混乱している俺を今度はじっと見つめている日野ちゃんに気付いた。

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