あの日、君と見た青空を僕は忘れない
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一週間後、出来上がったビデオレターを、岡本に届けに行く。
コンコン
ガラッ
「あ、来た!」
ベッドで看護師とファッション雑誌を読んでいた岡本が俺を見て笑顔でそう言う。
痩せたけど、初めて会った時と変わらない笑顔。
この笑顔を見られるだけで幸せだ。
「幸ちゃん、ずーっと、暇そうに『黒田くんまだ来ないかなー』って待ちくたびれてたのよ?」
と看護師。
「ちょ、やめてくださいよー!」
「こっちのセリフよ〜、独り身の前で止めてくれる?」
看護師は冗談っぽくそう言うと「ごゆっくり〜〜」といって、部屋を出て行った。
キスしたあの日からずっと、俺は学校が終わると岡本のところにこうして寄っている。
「遅い!すごく暇してたんだからね!」
と岡本。
口は元気だ。
「委員会の集まりで忙しんだよ」
「あ、そっか。黒田くん、副委員長だもんね」
自分が決めたのに他人事みたいに言いやがる。
「お前が勝手に決めたんだから覚えとけよ」
「はいはーい」
テキトーに返事をする岡本。
でも、その顔が明るくて、嬉しくなる。