あの日、君と見た青空を僕は忘れない
ガラッ
岡本がドアを開けるとみんな偏見の目でこちらを見てる。
こんな空気になんとも思わない岡本を尊敬しつつある俺。
「次は数学ですよ!黒田くん!黒田くんは数学得意ですか?」
俺の席の前で笑顔でそういう岡本。
空気読めないってこういうこと言うんだな…。
「お前さ…」
小さな声で、岡本にそういう。
「…他の奴らの気持ちとか考えねーの?」
「気持ち?」
「俺がいたらみんな嫌なんだよ」
「え、みんなに聞いたんですか?」
「…いや、それは」
盗み聞きして聞いたよ。
「あの!皆さん!黒田くんがいるのいやですか?」
…おいおいおいおい。
まじかよ。
みんな、大きく横に首を振る。
そりゃ、そうだろう。
入学当日に事件起こした生徒なんぞ、みんなボコられるの心配して、そんなことないという。
「みんな大丈夫だって!」
もう、バカ通り越して天才だろ。
ガラッ
「はーい、席つけー。授業始めるぞ」
先生の声でぞろぞろ席に着く。
先生でさえ、俺をみて、一瞬緊張した顔をする。
だから、嫌なんだよ。
先生も生徒も。