あの日、君と見た青空を僕は忘れない
ガチャ
ドアが開くと、素敵なBGMと拍手がなった。
辺りを見回す。
クラスのみんな
担任
2人の両親
すごくキラキラして見えた。
「幸ちゃーん!おめでとう!」
「岡本さん、おめでとう!」
「黒田!おめでとう!」
「大翔、イケメンかよ!」
いろんなお祝いの言葉が飛び交う。
「もー、さっきから、泣いてばっかだよ」
と岡本。
「ちゃんと見なよ。これが岡本幸が自分で作り上げた思い出なんだから」
「黒田くん、意地悪だよ。花嫁のこと泣かしすぎ」
「お前が勝手に泣いてんじゃん」
「黒田くんも感動してるんだったら泣いてよ」
「いや」
今は最高の時間だから、泣かない。
絶対に。
コソコソと話しながら、牧師さん役の担任の先生の前に着く。
なんで担任が…と思ったが、面白かったので許す。
「新郎 黒田 大翔。
あなたは、ここに居る岡本幸 を
病めるときも、健やかなる時も
富めるときも、貧しき時も
妻として愛し、敬い、慈しむ事を
誓いますか?
」
「誓います」
はっきりとそう言う俺。
「新婦 岡本幸。
あなたはここに居る黒田大翔を
病めるときも、健やかなる時も
富めるときも、貧しき時も
夫として愛し、敬い、慈しむ事を
誓いますか?」
「はい。誓いますっ」
「それでは…指輪の交換と誓いのキスを」
「え?!」
指輪とキスと聞いて戸惑う岡本。
「え、や、みんなの前で?」
「当たり前じゃん。誓いってそう言うものだし」
岡本にそう言ってから、用意された、指輪を岡本の薬指にはめる。
「これ…」
「俺とみんなから。俺だけのバイト代だけじゃね」
「…こんなにしてくれなくても…」
「結婚式の醍醐味はここじゃん。ほら、はめて?」
そう言って岡本に指輪をはめてもらう。
「…ありがとう。黒田くん。ありがとうっ。ありが……!」
あんまり岡本がうるさいから、その唇を塞いだ。
「ヒュー!おめでとう!」
「おめでとう!」
「おめでとう!!!」
たくさんのそんな声が飛び交う。
「幸、お誕生日、おめでとう。生まれてきてくれて、ありがとう」
俺はそう言って、もう一度、岡本にキスをした。