あの日、君と見た青空を僕は忘れない
初雪のさよなら

幸の病状が悪化したのは、結婚式を行った誕生日から一ヶ月たった大晦日だった。



「幸!幸!」

「おい、、幸、頑張れ!」


病室に幸のお父さんお母さんの声が響き渡った。



ご飯が食べられなくなっていた幸は一ヶ月前よりも顔色が悪くなっていて。



病室に飾られた、結婚式の写真を見つめながら悔しくなる。



「幸!幸!」

俺も幸の手を握り必死で声をかけた。



「…大…丈夫だから」

弱々しく幸がそう言う。


どんどん変わり果てる幸の姿に、俺は何もできない自分を恨んだ。


幸がこんなに苦しんでいるのに、やっぱりただ名前を呼ぶことしかできなくて。


手を握ってやることしなできなくて。


弱々しくもぎゅっと握られるその手に。


申し訳ないという気持ちしか芽生えなくて。


「医者なら治せよ!」

ずっとよくしてもらっていた主治医にそう当たる。


「最善を尽くしています!」


幸が落ち着いてから、幸の両親と俺は病室の外に出る。


「…なんで。なんで幸なんだ!」

苦しそうにしている幸を見るたんびにそう思う。


そして、もっと早く知っていればと後悔する。



「…申し訳ありませんが、長くて一週間だと」




主治医のその言葉に言葉失った。



幸のお母さんは泣き出し、お父さんは壁を叩いた。


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