あの日、君と見た青空を僕は忘れない
「幸」
翌日、少し落ち着いた幸の病室に顔を出す。
「…大翔くん」
弱々しくそう言う彼女を見るたんびに泣きそうになる。
「…苦しかったな」
「ううん。…みんな…いたから。大丈夫」
俺は幸の頭を優しく撫でた。
「…何もしてやらなくてごめん」
俺は我慢できなくなって涙をこぼしてしまう。
「…大翔くん、たくさん…してくれたよ」
「だめだ、俺全然…。もっと早く…」
もっと早く、幸と出会ってたかった。
もっと、触れていたかった。
あと一週間なんて。
意味がわからない。
始業式のあの日、明るく笑った彼女は、誰よりも健康に見えていた。
でも、あの日から、ずっと痛みや苦しみを我慢していたのかと思うと、何もかもぐちゃぐちゃに溢れてしまう。
「…大翔くん、泣いたら…ブサイク…だから。泣かない方が…いいよ?」
「…うるせーよ」
結局、幸が一枚上手で。
俺は涙を雑に拭いてから、深呼吸する。
幸の前では笑顔でいるって決めたのに。
だめだな。
俺。