あの日、君と見た青空を僕は忘れない

──────


「おはようございます!岡本幸と申します」


ん?

夢の中にもあいつが出てきて困る。

うるさいのは現実だけにしてくれ。




「…くん。黒田くん!」


体を揺すられて、ゆっくり目を開ける。



はぁ?!

驚きを隠さない。


はぁ?!


「…な、なんでお前がいんの?!」


そこには紛れもなく、岡本幸がいたからだ。


ここ、俺ん家、俺の部屋だぞ?!

つーか、親父もなんで軽々しく家の中に人あげてんだよ!



「黒田くん、急いで準備して!今日、遠足だよ?!待ちに待った遠足!!」


待ちに待ってないし、ズカズカ人の家に上がってんじゃねーよ。。。


「…今日休むから」


バチッ

頭に鈍い痛みが走る。


「何すんだよ!!」
岡本に頭を叩かれ怒鳴る。


「副学級委員が行事休んでいいと思ってるんですか?!」

「…知らねーよ。お前が勝手に決めたんじゃねーか!」

「はーやーくー!!!!はーやーくー!!!!はーやーくー!!!!」


「あーも!わかったから、うるせーうるせーうるせー!!」


俺は、渋々立ち上がり着替えようとシャツを脱ぐ。


「キャッ!」
岡本がそう言い、顔を手で覆う。


あ?

「もー!変態!!見せないでください!」

さっさと着替えろって言ったのお前だろ…。

「見せてねーよ。お前がそこにいるから悪いんだろ」


「あ〜〜〜、幸ちゃん、ごめんね?ほら、ここでお茶でも飲んで」

「はい!」

はい、じゃねーよ。
親父。


「親父なー」

「急いで着替えろよー」

バタン

文句言う前に、ドアを閉められた。


くそじじいが。



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