あの日、君と見た青空を僕は忘れない
「…黒田くんはなんで金髪なの?」
「これ、茶色」
「絶対、金髪だよ」
どーでもいいが。
「…お前、この前言ってたじゃん。今は今しかないからしたいことするって、それと同じ」
「そんなこと言ったっけ」
…本当、アホだ。
「でも、限度ってものがあるよ!校則破っちゃダメ!」
「…いいか?岡本、大人になってこの髪の色どう思う?ホストかチャラ男にしか思われねーだろ」
「うん」
「別に俺だって、大人になってまでこんな髪型しよーって思わねーよ。年取ったら似合わねーかも知んねーし。だから、今なわけ」
「…なるほど」
フッ。
今日は俺の方が上手(うわて)だ。
「つーか、俺の話ばっかじゃん。岡本の話しろよ」
「え、それは遠慮するよ〜。興味ないこと聞いてもつまらないでしょ」
「誰がつまらないって言ったよ」
「恥ずかしいじゃーん」
「はぁ?恥ずかしい?」
「あ!もしかして、黒田くん、私のこと好きなの?」
「んなわけあるか。アホ。じゃ、聞かねーよ」
そして、そんな言い合いをしながら、あっという間に目的地へと着いた。