あの日、君と見た青空を僕は忘れない
「くーろーだーくん!!!!」
仰向けで寝てる俺の真横で仁王立ちでそう叫けぶのは、見たことない女子。
俺の名前を呼んでいる。
「誰だお前」
髪を2つに分けて下の方で結んでる黒髪の彼女に冷たくそういう。
見たことない顔だ。
「あ、今日転入してきました。岡本 幸です」
オカモト サチ?
転入生?
転入してきた初日から馴れなれしいやつだ。
この俺と対等に話そうとするなんて。
ふざけたヤツ。
「あのさー。お前、俺のこと知らねーみたいだから言っとくけど、俺は…」
「3年3組。黒田 大翔くん。自称ヤンキー。1年生の頃からまともに授業を受けておらず、友達も少ない一匹オオカミタイプ。間違いありませんか?」
あ????
んだこいつ!
なんで俺の名前知ってんだよ!
ムカつく…
こんなにムカついたのは久々だ。
なんだこの女。
初めて会ったくせに、調子こいたこと言いやがって。
「フッ。間違いだらけだね。大間違い。自称ヤンキーってなんだよ!」
「みんなと違うことをするのがかっこいいと思ってる」
「ぶん殴るぞ」
「始業式、始まっちゃいます!!行きますよ」
「あ?行かねーよ。バカか?」
初対面の女にいきなり腕を掴まれて慌てて女から離れようとする。
「せっかくの始業式ですよ?これからみんなで楽しい思い出を…」
「…思い出とかな、作ったって無駄なの。初対面なのになんなんだよ、お前」
「そんなの、作ってみないとわかんないじゃないですかー!!!!」
「わかんの!離せよ!」
無理やり離しても何度も巻きついてくる腕を強めに振りほどく。
「…泣きますよ?いいんですか?」
「はぁ?」
「…私、学級委員になりたいんです!第一回目の仕事は、授業に出席しない黒田くんを出席させることなんですぅ!それが成功しなきゃ、私…私…」
下手な嘘泣きを見せる岡本という女。
なんであんな面倒くさい仕事したがるんだよ。
おめでたいやつだな。