あの日、君と見た青空を僕は忘れない
テスト勉強を終えてから、お好み焼き屋に寄って、帰るのが俺らの日課になりつつあったある日、たまたま、相沢と帰り道が一緒になった。
「黒田くん、すごく変わったよね」
「ん?」
薄ピンクの半袖ブラウスに白のカーディガンと女の子らしい制服の着こなしをしてる相沢。
「時々、校内で黒田くんを見たらね。この人怖い人だってずっと思ってた」
と話し出す相沢。
「よく言われる」
「でも、今は全然違うもん。優しい人だって思ってる」
「…んなことねーけど」
「黒田くんのおかげで幸ちゃんとも仲良くなれて。ありがとうね黒田くん」
「…いや。俺は何も」
誰かに礼を言われたのは何年ぶりだろうか。
忘れてた感情がこみ上げてくる。
恥ずかしいとか照れとか。
「ほら。暗くなったらあぶねーから。早く帰るぞ」
俺は相沢にそういって、並んで歩いた。