あの日、君と見た青空を僕は忘れない

最近、ずっと4人でいたから、なんだか変な感じだ。


「…黒田くん。ありがとうね」

岡本がいきなりそう言ってくる。

「あ?何が」


「楽しい思い出、たくさん作れた」

「まだ、5月だろが」

「そっか。そうだね」

岡本が空を見上げる。


「綺麗だね!」

そう笑う岡本にちょうど風が吹いて

「ふ、普通だろ」

いつもよりちょっと、


ほんの少しだけ、


可愛くに見えた。

「なんか、黒田くんがここでサボってた理由わかるなー」


「はぁ?」


「この空、独り占めしてる気分になれるからじゃない?」


「んー、どーなんだろうな」


「私もたまにはサボローかな〜」


「はぁ?」


「なんてねー」

ったく。



今日は、なんとなく静かな岡本。


2人で見る青空。


また、空を見上げてる岡本。


こいつどんだけ空好きなんだ。



「ねぇ、黒田くん。……綺麗だね!」



上を向いたままそう笑っていう岡本。


「そーだな」



これから先、あとどれくらい、この青空を見られるだろうか。


これから先、あとどれくい、何かを見て、綺麗だと思えるだろうか。


そんなことをふと思いながら、俺も空を見上げた。






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