あの日、君と見た青空を僕は忘れない

「……黒田くん」

「ん?」

突然名前を呼ばれて少しびっくりする。


相沢と2人きりになるのは2回目だ。


「…幸ちゃんのこと、好き?」


…どうしていきなりそんなこときくんだ。

昨日の兄貴といい。




「…うぜぇから嫌い」

そう答える。


「…嘘ばっかり」

笑いながらそういう相沢。


「じゃあ、私と付き合ってくれる?」

いきなりなにを言い出すんだ。

俺はびっくりして、言葉を失う。

「なに言い出すんだよ、いきなり」

「なにって、告白だよ?」

「悪いけど…」

「私のこと好きじゃなくてもいいよ?それでもいいから付き合ってほしい。それとも他に好きな人がいるの?」


どうしたんだ。相沢。
きっと相沢も小池が好きなんだとばかり思ってた。
それにまさか、俺のことが好きだとか、ありえないだろう。


「黒田くん…」

相沢が近づいてくる。


「まじでごめん」
俺は相沢から顔を背ける。


「…そっか」

「相沢にはもっといい奴がいるよ。ほら小池とか」


「小池くんには、前告白されたよ」

へ?!

「テスト勉強始めた最初くらいに」

「まじかよ…」

「でも、今まで通り仲良くするって話になったの」

「嫌いなのか?相沢のこと」

「嫌いじゃないけど。好きでもないの。」

意外とはっきり者をいう子だ。


「ごめんね、なんか」
と相沢。

「いや、全然。ただ、ちょっとびっくりしただけだから」

「うん。今日のことは2人には内緒ね」

「あぁ」

相沢とそんな話をしていると、2人がちょうど帰ってきた。



相沢が俺のこと好きとか…。


ありえねーだろ。




< 40 / 130 >

この作品をシェア

pagetop