あの日、君と見た青空を僕は忘れない

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「はい!みんな進級おめでとう!!誰1人休むことなくこうして初日にみんなの顔を見れたこと先生、嬉しく思う!」

担任が元気な声でそういう。

うっせー。
なんで、自分の声の調節もできねーんだよ。



結局、岡本に連れられて、教室にいる俺。


おかしい。


こんなはずじゃない。

テキトーに高校生活終わってくれればよかったんだ。


それなのに…



「じゃあ、さっそく、学級委員決めよーかな」


当たり前だか、担任のそのセリフを聞いた瞬間、みんなが担任から視線をそらした。


「はい!!!」

聞き覚えのある元気な声がそう言った。


「お、岡本」
「私、学級委員に立候補します!!」


でた。

ま、こーいうやつがいた方が、他の奴らは楽か。


「お、本当か!じゃあ、学級委員、岡本でいいというやつは拍手!」


パチパチパチパチ

みんなの弱々しい拍手が響く。


始業式の前に、岡本はみんなに自己紹介したんだろう。

誰も彼女がいることに違和感を感じてる人はいない。


「じゃあ、次…副学級委員だな」

「はい!!」

また岡本が手を挙げる。


「いや、岡本、学級委員と副学級委員は1人ずつと決まっててな…」


そんなことも知らねーのか。
そう心の中で岡本をバカにした瞬間だった。



「副学級委員は、黒田くんがします!」



あれ?

今俺のこと呼んだ?


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