あの日、君と見た青空を僕は忘れない

放課後になり、俺たちは岡本のいる病院に向かう。

──────


「病院って、金髪オッケーなの?」
「これ、茶髪」
「病院って、男の片耳ピアスオッケーなの?」
「その聞き方もう偏見だろ」


そんな言い合いをしながら、岡本の病室につく。


ガラッ


「さーちちゃーーん!!」

相沢がそう言ってドアを開ける。


「あれ?誰もいない」
と相沢。


「トイレかな?散歩とか?」

3人でキョロキョロしてると、岡本のお母さんがこちらに向かってくるのが見えた。


俺は軽く会釈する。


岡本のお母さんは俺に気づくと駆け足でやってきた。


「ごめなさいねー、今、幸、検査に行ってて。あ、もしかして、小池くんと舞ちゃんね?よく話聞いてるわ!」

「初めまして!小池 誠人です!」

「初めまして!舞です!幸ちゃんにはすごくお世話になってて!」


「こちらこそ!わー、嬉しいわ!そろそろ戻ってくると思うから、お部屋で待ってて」

「ありがとう!」



俺たちは部屋に入って、岡本の話をした。
俺と岡本が初めて出会った話。
相沢と出会った話。
小池が相沢と付き合ってること。

どの話も、岡本のお母さんは嬉しそうに聞いてくれた。


そして何度も「ありがとう」「ありがとう」
と言った。


岡本にお礼を言うのは俺たちの方なのに。




ガラッ


盛り上がってると、病室のドアが開いた。


岡本だ。

「わ!何?!」
と驚く岡本。

「幸ちゃん!」
「岡本!」

「もーーー!!びっくりたーー!」
と岡本。

「じゃあ、ママはおかしかってくるから、ゆっくりしてて」


「そんな、ありがとうございます」
「すみません」


「いいえ〜〜来てくれてすごく嬉しいわ」

岡本のお母さんはそういうと、病室を出て行った。




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