あの日、君と見た青空を僕は忘れない
「いきなり来るんだもん。びっくり」
「行くよ〜〜って連絡しても、幸ちゃん携帯の電源切ってるからわかんないでしょ?」
「あ、そっか。あ!そういえば、2人とも、おめでと〜〜〜〜」
相沢と小池に笑顔でそういう岡本。
相沢、小池と付き合ったこと、岡本に話してたんだ。
「これから、私と黒田くんは邪魔者だねー」
と岡本。
笑ってるのに。
岡本が前より離れて見えるのはなぜだろう。
始業式のあの日みたいに。
全力で笑う彼女じゃないみたいな。
どこか悲しそうに笑う岡本。
なんなんだろう。
「あ、岡本、お前、学園祭やりたいこととかある?」
俺は話題を変える。
「あー。もうそんなこと決める時期かー」
「…んー、たこ焼き」
岡本がボソッと言った。
「たこ焼き、やりたい!」
「いいねー、簡単だし、結構たこ焼き機持ってる人も何人かいるだろうし!」
と張り切る相沢。
「おぉ、じゃ、入れとくな」
「うん!」
「学園祭かー!いいなー!高校生活最後だぜ?楽しまなきゃだよなー!」
「その前に、テストあるから、そこで赤点取らないように頑張らなきゃ!あ、幸ちゃんの授業のノート、うつしておくね!」
「舞ちゃん、ありがとう!」
「いえいえ。今回のテストもいい点とって、みんな卒業できるようししようね!」
「おぉ!」
そして、この日は学園祭の話で話題が膨らんだ。
絶対、いい学園祭にしたい。
そんな気持ちが俺の中で芽生え始めていた。