あの日、君と見た青空を僕は忘れない
岡本と尾崎は、体育館裏に来ていた。
こんな遠いところまで岡本を連れてきて、なんの真似だ。
隠れて2人を覗く。
話し声が聞こえた。
「だから、尾崎くん。誤解なの」
「何が?」
あれ、告白の雰囲気じゃない。
「あいつがいると、学校の風紀が乱れるんだよ」
「でも、黒田くんが尾崎くんに何かひどいことしたわけじゃないでしょ?黒田くん、今すごく頑張ってるの。大学に行くって!」
俺の話?!
2人の話題が俺だということに驚く。
「俺の受験に迷惑だ。あんなやつ」
「え?」
「変な噂のある生徒を置いてる学校の生徒なんてどこの学校が取りだがるんだよ。推薦が決まってたって、あいつがいつか大きな事件でも起こせば、取り消しになる」
「黒田くんはそんなことしないよ!昔の事件だって誤解で…」
「はぁ…いうこと聞いてよ、岡本さん」
尾崎は岡本を壁に追い込み、手で逃げないように壁を作る。
「どいて…」
「それとも”黒田くん”に言ってあげようか?俺と岡本さんがヤったって」
「ちょっ…それどういう意味…」
「そのまんまの意味だけど?」
尾崎はそういうと、岡本のブラウスに手をかけた。
「おい」
俺は尾崎の後ろに立ってそういう。
我慢の限界だ。
生徒会長のくせに、汚ねぇ。
「俺のこと嫌いだったら俺に言えよ。“尾崎くん”」
「黒田…!」
「今度、岡本にこんな真似したら、マジでぶっ殺すぞ。行くぞ、岡本」
俺は岡本の手を捕まえて、さっさとその場から離れる。
尾崎がムカつくが、それよりも岡本が心配だ。