あの日、君と見た青空を僕は忘れない


「いらっしゃいませー」


たこ焼きをくるくる回しながらそういう。


暑くて、頭にタオルを巻いて作業する。

「なんか、横顔かっこいいよ、黒田くん」

こいつ…

自分が振った男になんでそういう事言うんだ。

「うるせーよ」

「嘘だよ」

「てめぇなー」

「怒るともっとかっこよくない!」

「タコぶん投げるぞ」

「いいけど、ちゃんと買っといてよ?」

「バカッ……」



岡本と言い合いしながら仕事をする。

こんなんで楽しいと思ってる自分がいるから、俺はチョロイのかもしれない。



「あのーたこ焼きひとつくださーい」

「はーい、いらっしゃいませー」

そう言って、お客さんに上げるためのたこ焼きを作る。


「久しぶり。 ヒロくん」

そう聞こえ、お客さんの方に顔を上げた。


‼︎


嘘だろ…



そこに立っていたのは、中2の時付き合っていた元カノだった。



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