あの日、君と見た青空を僕は忘れない
──────

「何してんだよ、お前」

結局、始業式からずっと教室にいた俺は放課後、1番前の席の岡本にそう聞く。

「何って…思い出作り?」

「お前は勝手にすればいいけど、人巻き込むなよ」

「…だって、どうせ黒田くん、暇でしょ?」

あ?
こいつはいちいち人をムカつかせるやつだ。
可愛げがないとはまさにこのこと。


「暇じゃねーよ!大忙しだ!」

「へー、何してんの?」

「それは…」


…。


実際、全然忙しくないから言葉が出てこない。


「お前みたいな他人にわざわざ言うことじゃねーだろ!」

精一杯でた言い訳。


「やっぱり暇なんじゃん」

「暇じゃねー!うっせーな」

「ふーん。まぁ忙しい方が楽しいじゃん!」


なんなんだこいつ。
化け物だ。
ここまできたら。


なんとなく岡本ペースなのにいちいちムカつく。


「じゃあね!黒田くん!」

岡本はそう言って、笑顔で教室を出て行った。


ったく…


俺も帰るか…。

別に特に何も入っていないカバンを持って、教室をでる。



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