あの日、君と見た青空を僕は忘れない
誰よりも笑って、
誰よりも楽しんでやる。
そんな思いで始業式に出席した。
その日出会った1人の少年。
この世の全てを嫌っていて、何にも映していない目の彼。
黒田 大翔くん。
彼に恋心を抱くのに時間はかからなかった。
誰よりも優しくて、誰よりも正義感の強い彼。
人一倍、人のことを気にかけていて、本当は努力家。
たくさん知った、黒田くんの良さ。
『好きだよ』
『1人の男の子として』
もうじき死ぬ私に、そんなセリフ言う権利なんてない。
将来を考えるみんなのことを羨ましく思ったり、そのたんびに「どうして私だけなの?」と思う自分にまた嫌気がさす。
黒田くんと笑うだけで、
一緒にいるだけで、
自然と涙がこぼれた。
だから自然と、涙がこぼれないように、空を見上げるのが日課になった。
泣いてる時間なんてもったいないから。