あの日、君と見た青空を僕は忘れない
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「…黒田…く…ん?」
倒れてから1時間後、病室のベッドで、やっと岡本が目を覚ました。
「…はぁ…よかった…目覚めて」
俺は岡本の手を両手で掴みながらそういう。
岡本のお母さんやお父さんも安心した顔をする。
「…幸…よかった…」
と涙するお母さん。
「…ごめんなさい」
「ゆっくり休んで」
岡本のお母さんはそう言って岡本の頭を優しく撫でた。
そして、「黒田くん、ちょっといいかしら?」
そう言って、病室の外に向かった。
少し離れたベンチに腰を下ろす。
「今日はありがとうね。黒田くん」
「いえ、目覚ましてよかったです。岡本が元気になったらまた…」
「そのことなんだけどね」
岡本のお母さんは暗い顔をすると、深い深呼吸をして話し出した。