専務とお見合い結婚!?
沙織の左手薬指には、昨日と変わらずキラキラと光るものがあった。
私も今度のお見合いが上手くいけば、同じ場所にキラキラと光るものを贈られる日は近いのかもしれない。
「あ、そうそう。お見合いで思い出したんですけどっ!」
「……今度は何?」
ボーっとしていた時間を取り戻そうと、カタカタと急いでキーを打ち込む。
休憩時間でもないのに、しきりに話しかけてくる沙織。
「沙織、ちょっと声のトーン落としてよ……」
「村上専務が、ついにお見合いを決めたらしいですよっ!」
カタカタとキーを打っていた私の手が止まる。
専務が、ついにお見合いを決めた……?
「……そっか。ついに決めたんだ?」
「あれ?あまり驚かないんですね。先輩、専務と仲いいじゃないですかー。そんな話、今まで出た事なかったんですかー?」
そっけなく答えた私に、沙織は聞きたそうにつめよってくる。