専務とお見合い結婚!?
周りにはどう見えていたかは知らないけれど、そこまで親密な間柄ではない。
確かに、学生時代の恋愛は自慢されたけれど、この会社に入ってからの専務の恋愛歴は聞いた事がない。
「……沙織、電話鳴ってる」
「あ、はい!……もしもし、お待たせしました!」
タイミングよく外線からの着信で、話を終わらせることができた。
私も何事もなかったかのように、黙々と仕事を再開させる。
……そっか、専務はついにお見合いを決意したんだ。
この日がくる前に、私が先にお見合いで決めてしまおうかなって思っていたのにな。
さすがに、昨日の今日で動揺を隠す事ができているのが不安だ。
相手はどんな美人なんだろう。