専務とお見合い結婚!?
「どういう事って言われても、お見合いだけど?」
「そ、そういう意味じゃなくて、どういうつもりで私を?まさかと思いますが、沙織に結婚を先越された私をからかってるわけじゃないですよね?」
「……オレはそこまでヒマじゃないって」
真剣に聞く私に、専務は苦笑してお茶を飲んだ。
……ヒマじゃないなら、何でこんな事になるのよ。
「じゃあ、どういうつもりですか?専務にはもっとふさわしい人がいるでしょう?どこかの社長令嬢とか、政治家の娘とか」
「あいにく政略結婚するほど、会社は困ってないし、結婚相手は自由だって言われて育ったから」
「あ、ああ、そうなんですか……」
専務の答えに納得したようにうなずいた後、すぐに慌てて首を横に振った。
「そ、それで何で私なんですか?」
「キミも面白いなー。付き合い長いけど、こんなに落ち着きない人だったか?」
私の慌てぶりに、クククと口元を押さえて、肩を震わせて笑った専務。