専務とお見合い結婚!?
自分の人生がかかっているのだから、落ち着いてなんかいられるわけがない。
会社では取り乱す事はほとんどないけれど、さすがにこの場で取り乱すなというのは、無理な話だし。
「真面目に答えて下さい!専務こそ落ち着きすぎですよ!」
「真面目に答えようか?……宮島かすみと結婚したいと思ったからだよ」
「な……っ?!」
驚いた拍子に、手が湯呑に当たりひっくり返してしまった。
幸いほとんどお茶は入っていなかったので、そこまで中身は広がらなかった。
「大丈夫?」
「あ、だ、大丈夫です!すみません……」
専務がおしぼりを広げて、テーブルを拭き始めたので、私は慌てて専務の手からおしぼりを取り上げようとしたけれど、逆にその手をつかまれてしまった。