専務とお見合い結婚!?


「手を出してるんだから、素直に握ればいいだろ?」


「いえ、立てると思ったんです……」



転がった私の二の腕をつかんで引っ張り上げてくれた。


専務の手を取れなかったのは、触れてしまえば自分の動揺を悟られてしまうんじゃないかって思ったから。


立ち上がったけれど、足がしびれて上手く立てずにふらついてしまう。



「しびれが治るまでこうしてるといいよ」


「あ、でも、専務……!」



グイッと抱き寄せられて、私の体温は急上昇。


顔も火照って熱くなる。


専務の腕の中にいるなんて信じられない……!



「あ、それと今日からオレの事は名前ね」


「え?!そ、そんな事はできません!」


「何で?オレはかすみって呼ぶけど?」



何でそんなに簡単に切り替えられるんだろう?


< 30 / 82 >

この作品をシェア

pagetop