専務とお見合い結婚!?
ちょっとしたイジワルのつもりで言っただけで、専務の印象がそういうワケではなかったんだけど。
……ま、いっか。
さっきからドキドキさせられっぱなしなんだし、これくらいのイジワルは許されるよね。
「そういう事だから。オレの車の助手席に座る女性第一号は、かすみで」
「またウマい事言いますね」
「オレは本気だよ?これからは仕事終わりに誘うから」
そう言って笑う専務の本気がどこまでなのか、私にはよくわからない。
わからないのであれば、何も期待しなければいいんだけどね。
「……楽しみにしてますね」
当たり障りのない返事をしておいた。
すると専務は、私を引き寄せて優しく抱きしめる。
「覚悟しろよ?オレの本気を見せてやるから」
低い声で、そう私の耳元で囁いた。