専務とお見合い結婚!?
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「先輩。せーんぱいってば」
「……あ、ごめん」
「もうー、大丈夫ですか?今日、朝からずっとそんな感じじゃないですかー。具合悪いなら早退して休んだ方がいいですよ」
トントンと沙織に肩を強めに叩かれて、私はハッと我に返る。
朝から数えて、これでもう4回目。
沙織は私の反応の悪さに、心配そうに言ってくれるけれど、具合が悪いわけではない。
ただ単純に、この前のお見合いの事を引きずっているだけ。
あれは私が見た夢だったんじゃないかって、ずっと考えている。
専務に片想いするあまり、夢に願望が出てきてしまったんじゃないかと。
「ごめん、沙織。次ボーっとしてたら、明日のランチおごるから」
「本当ですか?!じゃあ、期待して待ってます!」
自分への戒めのために言ったのに、キラキラした目で期待されるのは困る。