専務とお見合い結婚!?
「……あ、やっぱり夢じゃなかったんですね?」
「は?この前の事、夢だと思ってたわけ?……じゃあ現実だって、確認しようか?」
フッと笑うと、専務は私の顔の横に手をついて、そっと唇を重ねて来た。
熱く甘くとろけるようなキスに、ウットリとしてしまう。
就業中なのに、職場でこんな事……。
頭の片隅でそんな事を思うのだけれど、甘い誘惑には勝てない。
唇が離れると、専務はポンと私の頭の上に手を置く。
「今夜、仕事終わったら食事に行こう。駐車場で待ってるから、終わったら連絡して」
「……はい」
スマホをスーツのポケットから見せて言うと、専務は先に部屋を出て行った。
唇にまだぬくもりが残っているような気がして、そっと指先で触れてみる。