専務とお見合い結婚!?
やせすぎているわけではないから、スーツ姿がしっくりきている。
家柄もよし、ルックスもよしなら黙っていても、いい結婚相手が見つかりそうなものだけど。
「幸せな結婚ができるといいですね……」
「宮島、キミもね」
「私の事は放っておいてください」
私がピシャリと言ってのけると、専務はおかしそうに笑った。
専務とこんなやり取りができるのは、私が入社した時に専務が私の教育係だったから。
その時は『専務』ではなく、『係長』という役職だったけれども。
「元教育係としては心配だし」
「元後輩としては、専務が結婚できるのかっていう心配もしてますよ」
「お、言うようになったなー?」
アハハと明るく笑いながら、クシャクシャと私の頭をなでた。