専務とお見合い結婚!?
レースのブラウスにパールのビジューがあしらわれていて、黒のスカートの裾からは、彼女の細い綺麗な生足が出ている。
綺麗な人なんだけど、ジロジロと品定めをするように私を見てくる視線だけが嫌な感じ。
「……ああ、久しぶり」
「連絡くれるって言ったのに、全然連絡くれないんですもの。今日も父と一緒にここで食事に来ててね。まさかお会いできるとは思わなかったわ……!」
「そうなんだ?院長によろしくと伝えてくれないか?」
院長……?
親し気に話しかけてくる彼女に対し、専務は淡々としている。
「慶一郎さん。こちらの方は?」
あまりにサッパリ過ぎて、カチンときたのか彼女は、少しムッとしたように私に視線を向けた。
「オレの婚約者のかすみだ。かすみ、こちらは横手総合病院の院長の娘で、横手さやかさん」
横手総合病院は、全国的にかなり有名な大きな病院。