専務とお見合い結婚!?
興味あるナシの問題じゃなくて、私は、専務の婚約者の横手さやかさんをもう見てるし。
私の反応が悪いので、沙織はそれ以上話をするのをやめて、パソコンに向かった。
「専務は先輩の事が好きだと思ってたのになー」
「……は?」
沙織の言葉に耳を疑った。
キーを打っていた手を止めて、思わず彼女の方を見てしまう。
「だってそうじゃないですか。いくら元教育係でも今は専務ですよ?勤務中にわざわざこの部署に寄らないですよー。普通ならエレベーターで通過しちゃいますって」
「……でも、他の用事があったついでにきたかもしれないじゃない?」
「専務なら他の人に用事を頼めば済むじゃないですか。この前、先輩が課長に頼まれて経理の方に行ったみたいにー」
熱弁する沙織に、私は首をかしげる。