専務とお見合い結婚!?
言っている事はわかるんだけど、それが全員にあてはまるかと言えばそうじゃないと思う。
人に頼むより自分で動いた方が早いと思ったのかもしれないし。
「それに、先輩と話してる専務って結構顔が緩んでるんですよー。私が挨拶しても営業用の顔しか見せてくれないのに」
「気のせいじゃないの?」
「気のせいじゃないですよ。先輩の鈍さにはあきれて物が言えませんよー」
ズケズケ言う沙織に、少し圧倒されてしまう。
私が鈍い?
まさか、そんな事は……。
「今さらこんな事言っても仕方がないんですけどね。専務、結婚決まっちゃったし」
「そうね……」
沙織は大きくため息をついて、仕事を再開する。
彼女の言う通り。
真意はどうであれ、専務はもう結婚が決まってしまっている。